南伊豆おく農園

私のパパイヤ栽培 ②

2022年8月26日

収穫・・・花が7月に咲いてから7ケ月長~い
2月になると地面に接するほどの所に着果している大きなパパイヤ2,3個の色が緑色からやや薄くなり、やがてほんのり先端部分が色づいてきた。しかし収穫を期待するもここからが長い。やがて半月も過ぎようかという3月に入って半分ほど色づく。11月から3月までの間は果実の充実期間である。いよいよ収穫。収穫しても食べるには果実の緑の部分がオレンジ色になってしまうまで待たねばならない。全体に色が回ってきた時、初めての試食。実がしっかりとして色は濃いオレンジ色。エキスがきらきら光り見た目素晴らしく、香りも良く待ちに待ったおいしさである。糖度だけがもう少しあればという状態だった。これはパパイヤの温度が15℃以上ないと本来の甘さが出てこないためだ。5月になると自然と温度が高くなるので糖度もぐっと上がって食味は一層向上してきた

販売・・・なかなか売れない。でも・・
値段が高すぎるのかもしれない。売れないとこの思いが頭を悩ませる。しかし色々考えるとこれくらいで売れなくてはと迷う。要するに珍しいものだからどんな味かもわからず、すんなり購入する人はいないということだ。
「青パパイヤで売ってみたら」と声がかかる。味も素っ気もない青パパイヤではと思いつつ何とか売れたらと出荷してみた。青パパイヤで収穫すると白いエキスが噴き出してきて大変。収穫して手に白いエキスがついたまま目でもこすろうものなら目が痛くなって開けていられない。タンパク質分解酵素が豊富なので扱いも果皮を傷つけないように丁寧に袋に入れる。

で、青パパイヤは売れたのか? ・・・お客様レシピで売れ始める
最初は大変には売れないが少しずつ売れていった。同時に完熟パパイヤも後を追いかけるように売れ出した。青パパイヤは自分も食べたことはないが、でも買ってくださる人が少しだがいる。何とかしたい。要は食べ方がまずわからないと買ってくれない。買ってくださる人に食べ方レシピを書いてもらい、教えてもらおう。アンケート用紙と募集箱を置いた。書いてくれた人には青パパイヤをプレゼント。効果があった。

青パパイア料理法募集用紙と結果

色づき始めたパパイヤ青

青パパイヤサラダ「ソムタム」

ソムタム(青パパイヤのサラダ) ・・・しゃきしゃき歯ごたえのあるサラダ
一番知られているパパイヤ料理は青パパイアのサラダ「ソムタム」である。東京から来て南伊豆の宿泊施設で働いているKさんがタイ料理の店を任されていたというほど詳しい。そんな出会いから我が家でソムタムを実演調理してもらった。

ソムタムの作り方

青パパイアの皮をむく
ピーラーで細く削り、ソーメン状にする
すり鉢に入れ、すりこ木で軽くたたくようにして固い繊維を柔らかくする
ソムタムのエキス(市販品)を少しずつ加える・・
自分の味覚に合った辛さでストップ(ここがポイント)
ミニトマトやインゲンなど彩りを加えて出来上がり

簡単にできてとてもおいしい。湯の花喫茶の宮北さんはこのソムタムのエキスまで自分で作ってしまう。青パパイヤは味に癖がなく、いろいろなものに使えて、カレーやかき揚げなども人気があるので少しずつ広まっていくのではないかと思っている。

2年目のパパイヤ・・・下から出る脇芽を伸ばす
3月頃から収穫が始まったパパイヤも夏ころにはほとんど終了する。下のほうから小さな脇芽が出ているので太い主幹を脇芽の上で伐る。主幹を切るとすぐに脇芽は伸びだし、同時に花も咲いている。ぐんぐん伸びて秋には青パパイアで販売できるほどの大きさになる。露地では霜が降りると株が凍ってダメになってしまい、1年限りのものだが、ハウスでは成長、収穫が継続できるのである。大きな葉や次々となる実を維持するには地面全体がたっぷりと染み渡るほどの灌水をしないと思うようには育たない。充分な水肥料を与えることがポイントとなる。こうやって繰り返し4年目の栽培をしている株もある。

夜温5℃でチャレンジ・・・失敗だったなー
パパイヤは0℃になると凍って溶けてしまうが、ハウス内10℃で(適温は15℃)で生育している。生育を続けなくても良いから越冬できないものかと凍らない限界温度の5℃設定で栽培してみた。結果は実がいっぱいなったパパイヤは次々に枯れてしまった。1年間の労力は全く無駄になり、泣く泣く片づける羽目になった。
懲りずに翌年2回目のチャレンジをした。温度は5℃だが、換気扇(ボナルド)を回しっぱなしにしてハウス内の気流を停滞させないようにした。冬も終わりの3月まで持ちこたえた。しかし3月になるとパパイヤの葉色が薄くなり、やがて黄色くなり、株元から腐り始めた。2年続けて失敗してしまった。地温の確保がもっと大事だったのだ。失敗を繰り返しながら、パパイヤの技術は定着していくのだと気持ちを切り換えている。

将来に向けて・・・とにかく強いパワーあふれるパパイヤだ
栽培していてとにかく強い作物だ。ぐんぐん伸びて気持ちが良い。私はハウス栽培だが、松崎町の河浦花園の露地のパパイヤは4mにも育つ。このエネルギーを私たち人間もいただいて健康に生きていけるような気がする。暖かい南伊豆にはとても合う植物と思う。

4年目のパパイヤ人間の胴ほどの太さに育つ