私のパパイヤ栽培 ①
2022年8月26日
パパイヤ導入・・・これはいけそうだ!!
2015年、農業新聞で石垣珊瑚という品種が沖縄県で栽培され、産地化に向けて取り組んでいるという記事を見つけたのが私のパパイヤ栽培の始まりであった。
石垣珊瑚というパパイヤは単為結果性(雌木だけで着果する)で低位置から着果し、沖縄県の国際農林水産業研究センターで2008年に開発、品種登録されたものである。
実は種なしで甘いパパイヤとして主に沖縄県石垣島で栽培されており、果形は長楕円形で果肉はオレンジ色、糖度平均が13.8度で香りも高い。平均重が840g(以上国際農林水産業研究センター)
この記事を見て、「これは良い」と決断した。苗木を購入したくて、早速ネットで検索して沖縄県の種苗会社に問い合わせるも在庫なし状態が続いて、注文することができない。翌年3月になり、苗木販売を開始したということがHPに出たので早速注文した。4月になり、はるばる沖縄から苗木が届いた。
苗木育成・・・生長点培養された繊細な苗を大事に育てる
9㎝ポットに入った高さ10㎝足らずのひ弱な小さな苗を大事に取り出し15㎝ポットに植え替えた。ちょうど夏野菜苗を生産中だったのでその温床の片隅に入れて育てた。温度は20℃近くあり充分である。灌水過多は根っこが腐ってしまうので乾いたら灌水する程度に管理した。
生育は早く、あっという間に野菜たちを追い抜く背丈になった。5月、がっちりと25㎝ほどにたくましくなった苗をハウス内の予定の場所に定植した。
本圃・・・しっかり堆肥や良質の肥料を深く、深く入れて準備OK
苗木のパパイヤがぐんぐん大きくなるのを見て、植え付け場所の準備にかかった。堆肥、自家製のボカシ肥料、カニガラ、苦土石灰など土に撒き、耕運して床を作り、充分灌水した。1年目はこの状態で1,8m間隔に植えた。(2.5m×2.5mが標準)2年目の時は定植場所に直径50㎝深さ50㎝ほどの穴を掘り、その中に堆肥やカニガラボカシ肥料など入れ、掘り起こした土とよく混ぜて準備して、そこに丁寧に植えた。今では穴を掘って植え付ける方法をとっている。床が出来たら灌水を十分行い、10日間くらいなじませてから定植した。露地の場合はまだパパイヤにとっては寒いので6月くらいまではトンネルを掛けることになるがハウス内ではそのままで良い。
定植後・・・抜群の樹勢で伸びていく
定植後の生育はとても速い。毎日ぐんぐん伸びている。2か月後には背丈は1m位だが大きな葉が上に横にと縦横に張り出して伸びているので上に伸びた葉まで含めると1.5mを超え隣の株と交差するほどになる。7月下旬には地面から30~40㎝の低い所から開花をはじめる。着果する長さが長くなり農家にとってはうれしい。成長期には水と肥料をたっぷり与える。
以後3,4日ごとに1節ずつ葉のわきから次々開花して上がってくる。当然、最初に咲いた下の実はどんどん膨らんでくる。2か月後の9月には500g位になり、青パパイヤとして収穫できてしまう。その頃には背丈は2mを超え、葉は大きく広がり、3mにもなる。葉の長さだけでも1.5mはあり、大きくたくましく見ごたえがある。人の腕ほどの太さの茎に青々とした実が次々になっている。露地で作る場合はそのままに伸ばし続け、収穫も11 月頃まで行われる。
完熟まで・・・まだまだ長~い時間開花して7ケ月もかかる
10月いっぱいはハウスも昼夜開けっ放しでも良いが、外気温が下がってくるので11月にはいる頃までには保温、加温の準備をする。ハウス内は内側に2枚のビニールカーテンをセットする。かなりの手間であるが大切な仕事である。サイドは締切であるが天井部分は毎日開閉するようになっている。この時パパイヤは一番上の天井ビニルまで葉が届いており、4m以上になる。カーテンの開閉の高さまで切り下げなければならない。バサバサと大きな葉っぱを切り落としてしまう。秋には生長点を止めてあるのだが、何せ勢いのあるパパイヤなので止めた一番上から脇芽を新たに伸ばしているので、そこのところも切り落としが必要となる。上の葉っぱを落としてしまうと今までジャングル状態だったハウス内もずいぶん明るくなる。パパイヤはトマトのハウスに居候状態なので夜間温度は10℃を保たれている。大きな実をいっぱいつけた状態であまり変わらないまま、11 月12月、1月、2月と辛抱強く春を待つ。早く色づかないかなーと毎日眺める日が続く。(⇒2)