南伊豆おく農園

私のババコウ栽培④ 原産地では?

2022年2月17日

アンデス(エクアドル)の2000~3000mの高地の原産でパパイヤ科の果物です。 学名はCarica Pentagonaと言い、異種間のパパイヤの自然交配種でエクアドルのある地域にのみ 何世紀にも渡って生育しています。霜の降りにくいニュージーランド北部では外でよく生育しています。

エクアドルから農業国、ニュージーランドにババコウが入ったのが1973年。 それから10年後の1983年、南伊豆おく農園に苗木が入ってきました。

 

最初のおく農園のババコウパンフレットでは上記のように紹介してあります。しかし、私は原産地のエクアドルにも苗木を輸入したニュージーランドにも行ったことがありません。したがって現地でのババコウの生育実態は今でも知りません。

 

ババコウ情報を求めてエクアドル大使館を訪ねました

1989年5月、東京都港区にあるエクアドル大使館を訪ねてババコウの実態を聞きに行きました。

・ババコウはどのようなところに生育しているのか?

・ババコウをどのように利用しているのか?

少しでも話が聞けたらと思ったのですが・・・・。

エクアドル大使館のジョージ パスミーニョ氏(写真)は驚くことにババコウを知らなかったのです。日本人通訳を含めて3人しかいない大使館だったのですが、全員同じでした。まさかの思いでした。外務省の役人はいわゆるエリートで地方の植物(ババコウ)のことなどは知る由もなかったと理解しました。通訳の日本人女性の方はエクアドルに行ってババコウの生育しているところを探しましょうとその際には同行することを申し出てくれました。しかし私には時間もお金も無いのであきらめました。ババコウ情報がありましたら知らせていただけるようにお願いして帰ってきました。

 

エクアドルのババコウ情報が入る 「ババコウは王様の果物だ!!」

2015年、アメリカNY在住の同級生富永正子さんは日本食のデイリ―を経営しています。彼女の店でエクアドル人のホアンさんがアルバイトをしていました。直接ではありませんが富永さんにババコウのことを聞いてもらったところ、ババコウは知っており、大変おいしい果物で「王様の果物」と言われていることを知りました。ホアンさんも日本でババコウが栽培されていることを知り大感激だったそうです。なんと1983年にババコウ栽培を始めてから32年経って初めて、原産地のババコウ情報を知ることが出来ました。

ババコウに対して栽培と販売に限界感があったのですが、ファイトがわいてきました。余談ですがホアンさんはアルバイトで貯めたお金と借入金で家を買ったそうです。異国で働いて家を建ててしまう度量とエネルギーをババコウを通じて知ることが出来ました。

エクアドル大使館 ジョージ パスミーニョ氏と(1989年)